歌舞伎


生まれて初めて、歌舞伎を見る。
初めての歌舞伎座。狭い。膝は前の席にくっつく、左右の肩は隣の人と密着。一昔前、シネコン化される前の映画館よりも狭い。でも、それが歴史を感じさせる。


見た歌舞伎は「紅葉狩」と「野田版愛陀姫」。


歌舞伎初心者の私には、とっつきやすい内容だった。一つは、歌舞伎らしいもの。一つは、歌舞伎らしくないもの。


「紅葉狩」を見て思ったのは、「歌舞伎というのは伝統芸能で厳粛なもの」というイメージがあったのだが、意外にコミカルなところもあり、楽しめた。「野田版愛陀姫」は、オペラ「アイーダ」を歌舞伎にしたもの。こちらは、完全に自分の中で思い描いていた歌舞伎のイメージではなく、演劇だった。かたくるしくなく、笑いもあり、舞台が日本の戦国時代でもあり親しみ易く、楽しく見ることができた。


歌舞伎初心者としては、まったく毛色の違う2作品を見ることができ、1粒で2度おいしい思いができた。


ところで、要所要所でかかる「成駒屋」「中村屋」などのかけ声。これがまた場を締める。観客も一体となった歌舞伎の雰囲気が、楽しめた日だった。


最後に、遅ればせながら。伊調選手、金メダルおめでとう。